2004年12月08日

映画が観にくい街で観た、驚愕の映画◆『雨鱒の川』1

12月8日(水)晴れ / 『雨鱒の川』(シルバー劇場)

今週金曜日から北海道旅行(札幌・小樽)だ。そろそろ準備を始めなきゃいけないと思いつつ、いつもギリギリにならなとやれない私。悪い癖だと分かっていても、なかなか直せない。とりあえず、ホワイトイルミネーションを撮るために、ISO800のフィルムを買ってみた。ISO800は初めて使うのだけれど、どんな感じなんだろう。天気がいいといいのだけれど、予報を見ると旅行中は雨と雪ばかりになっている。この前の日曜日には大雪が降ってるし、最近地震も多いし…。でも、行く前から心配していてもどうにもならないので、何とか無事に過ごせることを祈ろう。

予告編を観て『雨鱒の川』が気になっていた。タイムスケジュールを見ると、この前の土曜日に上映が始まったばかりなのに、夜の上映は今週金曜日までで終わってしまう。明日の夜はもう予定が入れてあるし、観るなら今日しかないじゃない。

かつて私は、名古屋がとても"映画が観やすい街"だと思っていた。特に私の職場は便利な場所にあって、会社帰りに映画館に行こうと思えば、大抵の劇場へは15分で着ける。東京ほどかかる映画は多くないが、それだけに厳選されたものが回ってくるし、サービスデーを除けば、いつもそれほど劇場は混んでいない。しかし、ここ数年で劇場は次々と閉館になり、名古屋の映画館事情は激変してしまった。

ここ5年間で閉館した名古屋市内の映画館を数えてみた。シネプラザ1、2、3、4、50、毎日ホール劇場、毎日地下劇場、名古屋松竹座、グランド1、2、3、4、5、6、名宝劇場、名宝シネマ、名宝スカラ座、名古屋東映、東映パラス。全部で19館の劇場が消えていた。しかも、全てが名古屋の中心部にあった劇場だ。シネコンを除いた名古屋市内の映画館は、この数年で半分に減ってしまったのだ。単純に考えて、これは「回ってくる映画の数が減る」ということだ。これは私のような映画ファンにとっては、大きな打撃だった。

それだけではなく、映画の上映スケジュールも相当厳しくなった。今回の『雨鱒の川』のように、観たいと思っても1週間しかチャンスがないことや、朝1回や昼だけの上映に限られていて、結局観に行れずじまいになってしまう映画も多い。名古屋はこの数年で"映画を観やすい街"から一転、"映画が観にくい街"になってしまった。

旅行前なので迷ったが、きっと私のことなので、早く帰ってもどうせ今日は支度しないだろうと思い、結局劇場へ行った。チケットを買って入場したら、140席のキャパを持つ劇場で観客はたった10人程度だった。この映画は、名古屋市内ではここしかやっておらず、しかも夜の上映は1週間だけだというのに、この状態だ。これでは劇場経営も大変なはずだ。

もうまもなく上映が開始されるという時に、既にこの映画を観ていた友人から「驚愕のラストで吹き出さないように」とメールが入った。え?これってそういう映画なの?感動ものじゃないの? 急に不安になったところで、上映開始のアナウンスが入った。



心平と小百合は北海道の田舎で暮らす幼なじみ。耳が聞こえず、話すことが出来ない小百合の言葉を、心平だけは理解することが出来た。やがて二人は成長し、お互いに惹かれ合うが、小百合の両親は心平と小百合の交際を望んではいなかった。小百合の父親は、心平が東京に行っている間に、小百合を政略結婚させようとする。

監督は『がんばっていきまっしょい』の磯村一路。心平役は玉木宏、小百合役は綾瀬はるかという、現在売出し中の俳優たちが演じ、幼少時代の心平の母親は中谷美紀、小百合の父親は阿部寛、小百合の婚約者は松岡俊介、あと、謎の老人役には柄本明という演技派たちが脇を固めている。なのに…!

びっくりした。一体、いつの時代のメロドラマなの?と思ってしまうほどのベタな展開。しかし、これは幼少時代の回想シーンを除けば、立派な現代のお話なのだ。「幼なじみ」「聴覚障害者」「母子家庭」「たった一人の肉親の死」「ライバル登場」「政略結婚」「駆け落ち」…と、これでもか!と仕掛けてくるが、全然乗れない。途中で登場する「東京の女」は、真っ赤なアウディに乗っていたりして、これまたベタな演出に吹き出しそうになった。『冬のソナタ』のブームに乗って、よく似た感じの純愛ものを作っちゃったという感じで、ある意味『冬ソナ』以上の出来栄えに「あっぱれ」とも言える。そして、友人が言っていた『驚愕のラスト』には私も驚いた。

※以下、完全ネタばれなので、読みたい人は反転させて下さい。

小百合の結婚式の朝、駆け落ちしようとする心平と小百合が、謎の老人が用意していた「いかだ」で川を下って逃げるのだ。しかし、小百合の婚約者に車であっけなく追いつかれてしまう。(当たり前の結果に、思わず失笑) 小百合をめぐって取っ組み合いになる心平と婚約者。そこへ小百合の父親が登場して、小百合を無理矢理家に連れ戻そうとする。しかし、突然何を思ったか、婚約者は小百合を父親から引き離し、心平と小百合に「早く逃げろ!」とけしかける。再び心平と小百合は「いかだ」に乗り込み、川を下って無事に駆け落ちを成功させ、めでたしめでたし、というお話

一体、何なんだ、この映画。役者たちが真剣にやればやるほど、可笑しくてたまらない。でも、劇場内からはすすり泣きの声が聞こえた。もしかしたら、『冬ソナ』にハマる人ならハマれるのかもしれない。



『驚愕のラスト』にすっかりヤラれてしまった私の笑いは劇場を出ても止まらず、名古屋駅のJRのホームで電車を待っている時まで続いた。変な人だと思われないように、ニヤけた顔を隠すのに必死だった。本当なら「金返せ!」と言いたいくらいの映画だったが、これだけ笑わせてもらったから、まぁ良しとしよう。さっきの友人から「どうだった?1000円でも高くない?」とメールが来たので、「ある意味、貴重な体験をしたから良しかな」と返事をした。

名古屋は"映画が観にくい街"だと書いたが、今日、ひとつ学んだことがある。
「上映期間が短い映画には、それなりの理由がある」

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雨鱒の川 ファースト・ラブ スペシャル・コレクターズ・エディション これもお正月にやっていた 「雨鱒の川」 玉木宏くんがでているとゆーことで興味あったんですよねぇ

この記事へのコメント

1. Posted by Ray    2005年06月12日 22:03
mocofleeksさん、こんばんは。
『驚愕のラスト』に私もショックを受け、マジの純愛物なのかネタなのか、いささか困惑させられました。
良い部分も多い作品なんですけどね。
2. Posted by moco fleeks    2005年06月12日 22:20
>Rayさま
こんばんは。
TBも頂きありがとうございます。
色んな方たちの感想を読んでいると、絶賛している方が多くて驚きました。
まさかこんな感想を他の人に送りつける訳にもいかず、
この作品に関しては記念すべき初TBを送らせて頂きます。

他の作品にも色々TBを頂き、ありがとうございました。
ここでお礼を言わせて頂きます。
3. Posted by gopats    2005年11月05日 01:40
この映画の感想ほぼ全く同様に感じました。さすがに驚愕のラストで笑いはしませんでしたが(逆に怒っていた。)、残念な作品でした。でも、この記事を読んだときは笑ってしまいました(笑)。
4. Posted by 桂木ユミ    2005年11月05日 13:05
>gopatsさま
gopatsさんは「怒り」でしたか。この映画、上映時には本当に評判が良かったんですよ。私は何でそんなに評判がいいのか全く理解できませんでした。自分だけ感覚がおかしいのかと思いましたが、そうでなくて安心しました。
5. Posted by gopats    2005年11月06日 02:19
評判が良かったというのには驚きです。たぶんこの映画を良いと思う人とは僕は意見は合わないと思います。間違いないな。
6. Posted by 桂木ユミ    2005年11月06日 11:45
>gopatsさま
私も驚きましたよ。これのどこがいいの〜!?っていう感じで。『冬ソナ』ブームが最盛期の頃でしたから、あれにハマっちゃう人はハマるのではないかと思いました。

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