2005年01月24日
女性が持つ底知れぬパワー◆『北の零年』
1月24日(月)晴れ / 『北の零年』(TOHOシネマズ木曽川)
一昨日の壮行会で、久しぶりに会えた友人が居る。彼女と知り合ったのも6年前。
2〜3年前までは試写会でよく一緒になったし、偶然に映画館で一緒になったこともあった。一緒にゴハンを食べに行ったこともあるし、お花見をしたり、ボーリング大会に行ったり、フリーマーケットをしたこともある。でも、最近では彼女の仕事がとんでもなく忙しくなってしまったらしく、ほとんど会うことはなくなってしまった。最後に会ったのは数ヶ月前のことだと思う。彼女は私と同い年の、バリバリのキャリアウーマン(←死語?)で、その時は、「仕事が忙しくて、ずっと試写会には来ていない。お昼ご飯を夜に食べるような生活」と言っていた。土曜日も当然仕事で、壮行会にも仕事場から直接駆け付けてくれたのだ。
そんな彼女に久しぶりに会って、「最近は映画を観てる?」と聞いたら、びっくりする答えが返ってきた。「試写会には行けないのだけれど、去年は330本観たよ」 さんびゃくさんじゅっぽん!! それって、1週間で6本以上ってことじゃない。私のように、定時になればサッと仕事を上がれるようなお気楽OLにでも、そんな本数は厳しい。なのに、出張だと言ってあちこち飛び回っているような彼女の、どこからそんなエネルギーが沸いてくるのだろう。
でも、驚くべきことはそれだけではない。彼女にはダンナさんと二人の娘さんが居るのだ。それこそ2〜3年前まで、子供たちも試写会場や、お花見や、ボーリング大会や、フリーマーケットに連れて来ていた。その時は小学生だったけれど、もう中学生にはなっているだろう。知り合った頃から、映画が一律1000円で観られる『映画の日』やレディースデーには、バイク(原付じゃないよ)で劇場を移動しながら、1日で4本の映画をハシゴするというパワフルなお母さんだった。最近では映画だけでなく、東京や大阪まで観劇にも出掛けている。もちろん、家事も子供の学校関係のことも、きちんとやっている。しばらく会っていないうちに、子供が手を離れて、ますますパワーアップしたようで、同い年とはいえ、とても私には真似出来ない。
先週、『不機嫌なジーン』が面白くなかったので、レイトで『北の零年』を観に行くことにした。さすがに月曜日の20時過ぎから、3時間近い映画を観に来る人は少ないだろうとは思っていたが、180席ほどのキャパを持つ劇場に、観客はたったの8人だった。好きな列を1列、一人で使いたい放題の状態。なのに、チケットで指定された私の座席の1コ空けた隣には、明らかに"サユリスト"と思われる世代のおじさんが一人で座っていた。すぐ前の列も、すぐ後の列も、誰も座っていないのに、Vit(インターネットで座席を予約するシステム)でチケットを買うと、こうなっちゃうんだろうか。おじさんがポップコーンを食べる仕草が視界に入ってきてうるさかったので、本編が始まる直前に、私は席を立って1列前に移動した。
幕藩体制が終わりを告げ、明治4年、四国・淡路の稲田藩のサムライたちは、明治政府から北海道・静内への移住を命じられた。小松原英明(渡辺謙)は、サムライの象徴であるマゲを切り、妻の志乃(吉永小百合)たちと共に、この土地で生きて行くことを決心する。しかし淡路での農法では、この土地での作物は育たなかった。英明は最新の農法を学ぶために、ひとり札幌へと旅立つ。英明の帰りを待ちわびる志乃と娘の多恵。ところが、何年経っても英明は帰って来なかった。そんな志乃と多恵を、アイヌ民族の衣装をまとった謎の男・アシリカ(豊川悦司)が助ける。
170分という長い映画。でも、これだけ壮大なスケールの映画を170分で表現するのには無理を感じた。この映画には3つの大きな柱が必要だ。それは「志乃の物語」、そして「札幌に行ってからの英明の物語」と「志乃に出会う前のアシリカの物語」だ。その3つをバランスよく丁寧に語ってこそ、壮大な大河ドラマに成り得ると思うのに、この映画では「志乃の物語」しか語られておらず、結果、バランスの悪い「吉永小百合さま映画」になってしまっている。
また、この物語の重要なポイントである"武士のプライド"を表現するなら、稲田家が淡路に居た頃の生活の様子も、映像でもって見せるべきだったろう。あっちを向いていたと思ったら、いつの間にかまたこっちを向いるような状態で、「なぜ、彼らがそうなったのか」ということが全く分からない。何もかもが端折り過ぎていて、それぞれの気持ちの変化について行けない。まるで10時間分くらいあるドラマの、ダイジェスト版を見ているような感覚だった。
吉永小百合は確かにキレイだけれど、この役をやるには年齢的に無理がある。渡辺謙との夫婦役にも違和感を感じっぱなしだったし、ふたりのラブシーンはとても見ていられなかった。「吉永小百合あってこそ」の作品として売り出しているが、キャスティングミスとしか思えない。私的には、志乃役には鈴木京香か夏川結衣くらいが適任だったと思う。
吉永小百合だけは、どうしても志乃には見えず、吉永小百合のままだったが、他の役者たち(渡辺謙、豊川悦司、柳葉敏郎、石田ゆり子、香川照之ら)は、それぞれにみんないい演技をしていた。特に豊川悦司は、寡黙な男の役をやらせたら本当に上手い。(声が高くて滑舌が悪いから、喋りが多い役はダメなのだ)彼の存在感は、ハリウッドも唸らせた渡辺謙の存在感と、互角に勝負していた。
ストーリー自体は素晴らしい。何も無い北の大地を開墾した、ひとりの強い女性の物語だ。何事にも負けずに道を切り開いて行った、志乃という女性はすごい人だと思う。だからこそ、もっとちゃんとした形でこの映画を観たかった。もったいない作品だった。
一昨日の壮行会で、久しぶりに会えた友人が居る。彼女と知り合ったのも6年前。
2〜3年前までは試写会でよく一緒になったし、偶然に映画館で一緒になったこともあった。一緒にゴハンを食べに行ったこともあるし、お花見をしたり、ボーリング大会に行ったり、フリーマーケットをしたこともある。でも、最近では彼女の仕事がとんでもなく忙しくなってしまったらしく、ほとんど会うことはなくなってしまった。最後に会ったのは数ヶ月前のことだと思う。彼女は私と同い年の、バリバリのキャリアウーマン(←死語?)で、その時は、「仕事が忙しくて、ずっと試写会には来ていない。お昼ご飯を夜に食べるような生活」と言っていた。土曜日も当然仕事で、壮行会にも仕事場から直接駆け付けてくれたのだ。
そんな彼女に久しぶりに会って、「最近は映画を観てる?」と聞いたら、びっくりする答えが返ってきた。「試写会には行けないのだけれど、去年は330本観たよ」 さんびゃくさんじゅっぽん!! それって、1週間で6本以上ってことじゃない。私のように、定時になればサッと仕事を上がれるようなお気楽OLにでも、そんな本数は厳しい。なのに、出張だと言ってあちこち飛び回っているような彼女の、どこからそんなエネルギーが沸いてくるのだろう。
でも、驚くべきことはそれだけではない。彼女にはダンナさんと二人の娘さんが居るのだ。それこそ2〜3年前まで、子供たちも試写会場や、お花見や、ボーリング大会や、フリーマーケットに連れて来ていた。その時は小学生だったけれど、もう中学生にはなっているだろう。知り合った頃から、映画が一律1000円で観られる『映画の日』やレディースデーには、バイク(原付じゃないよ)で劇場を移動しながら、1日で4本の映画をハシゴするというパワフルなお母さんだった。最近では映画だけでなく、東京や大阪まで観劇にも出掛けている。もちろん、家事も子供の学校関係のことも、きちんとやっている。しばらく会っていないうちに、子供が手を離れて、ますますパワーアップしたようで、同い年とはいえ、とても私には真似出来ない。
先週、『不機嫌なジーン』が面白くなかったので、レイトで『北の零年』を観に行くことにした。さすがに月曜日の20時過ぎから、3時間近い映画を観に来る人は少ないだろうとは思っていたが、180席ほどのキャパを持つ劇場に、観客はたったの8人だった。好きな列を1列、一人で使いたい放題の状態。なのに、チケットで指定された私の座席の1コ空けた隣には、明らかに"サユリスト"と思われる世代のおじさんが一人で座っていた。すぐ前の列も、すぐ後の列も、誰も座っていないのに、Vit(インターネットで座席を予約するシステム)でチケットを買うと、こうなっちゃうんだろうか。おじさんがポップコーンを食べる仕草が視界に入ってきてうるさかったので、本編が始まる直前に、私は席を立って1列前に移動した。
幕藩体制が終わりを告げ、明治4年、四国・淡路の稲田藩のサムライたちは、明治政府から北海道・静内への移住を命じられた。小松原英明(渡辺謙)は、サムライの象徴であるマゲを切り、妻の志乃(吉永小百合)たちと共に、この土地で生きて行くことを決心する。しかし淡路での農法では、この土地での作物は育たなかった。英明は最新の農法を学ぶために、ひとり札幌へと旅立つ。英明の帰りを待ちわびる志乃と娘の多恵。ところが、何年経っても英明は帰って来なかった。そんな志乃と多恵を、アイヌ民族の衣装をまとった謎の男・アシリカ(豊川悦司)が助ける。
170分という長い映画。でも、これだけ壮大なスケールの映画を170分で表現するのには無理を感じた。この映画には3つの大きな柱が必要だ。それは「志乃の物語」、そして「札幌に行ってからの英明の物語」と「志乃に出会う前のアシリカの物語」だ。その3つをバランスよく丁寧に語ってこそ、壮大な大河ドラマに成り得ると思うのに、この映画では「志乃の物語」しか語られておらず、結果、バランスの悪い「吉永小百合さま映画」になってしまっている。
また、この物語の重要なポイントである"武士のプライド"を表現するなら、稲田家が淡路に居た頃の生活の様子も、映像でもって見せるべきだったろう。あっちを向いていたと思ったら、いつの間にかまたこっちを向いるような状態で、「なぜ、彼らがそうなったのか」ということが全く分からない。何もかもが端折り過ぎていて、それぞれの気持ちの変化について行けない。まるで10時間分くらいあるドラマの、ダイジェスト版を見ているような感覚だった。
吉永小百合は確かにキレイだけれど、この役をやるには年齢的に無理がある。渡辺謙との夫婦役にも違和感を感じっぱなしだったし、ふたりのラブシーンはとても見ていられなかった。「吉永小百合あってこそ」の作品として売り出しているが、キャスティングミスとしか思えない。私的には、志乃役には鈴木京香か夏川結衣くらいが適任だったと思う。
吉永小百合だけは、どうしても志乃には見えず、吉永小百合のままだったが、他の役者たち(渡辺謙、豊川悦司、柳葉敏郎、石田ゆり子、香川照之ら)は、それぞれにみんないい演技をしていた。特に豊川悦司は、寡黙な男の役をやらせたら本当に上手い。(声が高くて滑舌が悪いから、喋りが多い役はダメなのだ)彼の存在感は、ハリウッドも唸らせた渡辺謙の存在感と、互角に勝負していた。
ストーリー自体は素晴らしい。何も無い北の大地を開墾した、ひとりの強い女性の物語だ。何事にも負けずに道を切り開いて行った、志乃という女性はすごい人だと思う。だからこそ、もっとちゃんとした形でこの映画を観たかった。もったいない作品だった。
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1. 北の零年 [ Marさんは○○好き ] 2005年02月07日 19:01
もったいない。キャスティングに問題ありだな。渡辺謙はないでしょ。ラストサムライか
2. 北の零年 おもわぬところで「初恋のきた道」を再現 [ もっきぃの映画館でみよう ] 2005年03月03日 01:38
タイトル:北の零年/邦画/東映
ジャンル:吉永小百合主演作/2005年/168分
映画館:丸の内TOEI(693席)
鑑賞日時:2005年2月28日(日)19:05から100人強
私の満足度:70%
オススメ度:60%
冒頭、お昼寝の志乃(吉永小百合)。いきなり主演女優のアップから
くるとは・・
3. 「北の零年」 [ 青木英美のニライカナイ ] 2005年03月12日 13:05
魂を感じる映画でした。自分の感情をまとめるのに少し時間がかかってしまった。(榊英雄さん、upするの遅くなってしまってゴメンなさい)人が生きていく凄味を全身で感じて映画館でブルブルと震えてしまいました。行貞勲監督作品の中で1番好きかもしれません。「GO」は別
4. 映画『北の零年』貴方は何点? [ 本と映画と音楽と・・・お酒が好き ] 2005年03月27日 04:20
この映画、10点満点で貴方は何点と採点しますか?
※自分の好み度 ←金返せ! / ブラボー!→
0点□□□□□□□□□□10点
※人にオススメ度 ←止めさせる/ 推薦する→
0点□□□□□□□□□□10点
5. 映画『北の零年』貴方は何点?結果報告! [ 本と映画と音楽と・・・お酒が好き ] 2005年04月08日 00:20
毎度『この映画、貴方は何点?』にご協力いただきありがとうございます!
今回ご報告させていただくのは、吉永小百合様111回目主演作品の『北の零年』。豪華なキャストや製作費、興行成績が良かったことでも大きな話題となった作品です。…の割には、私のようにツボにハマ
6. 映画『北の零年』貴方は何点?結果報告! [ 本と映画と音楽と・・・お酒が好き ] 2005年04月08日 00:21
毎度『この映画、貴方は何点?』にご協力いただきありがとうございます!
今回ご報告させていただくのは、吉永小百合様111回目主演作品の『北の零年』。豪華なキャストや製作費、興行成績が良かったことでも大きな話題となった作品です。…の割には、私のようにツボにハマ
7. 北の零年 [ いつか深夜特急に乗って ] 2005年10月13日 22:42
「北の零年」★★★(DVD) 2004年日本 監督:行定勲
8. CINEMA●STARR 「北の零年」 [ しっかりエンターテイメント! ] 2005年10月24日 14:19
監督 行定勲
出演 吉永小百合、豊川悦司、渡辺謙、他
明治維新によって、国を追われ、北海道に移住した500人以上の人達の実話を元に、一人の女の強く生き自然と闘う姿を描く。
3時間弱の大作だけど、見せ場が少ない作品。
この映画、15億円をかけた....
9. リアリティー欠如の「北の零年」 [ 万歳!映画パラダイス〜京都ほろ酔い日記 ] 2006年01月03日 01:01
珍しくブログで事前に調べていたら、酷評ばかりで、ちょっとびっくり。「北の零年」(行定勲監督)のことである。実はこの映画、僕にとって、ことし初めての映画鑑賞だった。元日のWOWOWで「血と骨」の前にやっていた。「血と骨」も2時間半ぐらいと長いが、「北の零....
この記事へのコメント
1. Posted by
chishi
2005年03月28日 15:13
志乃役を鈴木京香って、
いい塩梅のキャスティング案ですねー
さゆりさんの輝きも必要だったと思う作品でしたけど
大泣きした私でさえ、
ちょーっとムリがあるよなあと思えましたもん。
いい塩梅のキャスティング案ですねー
さゆりさんの輝きも必要だったと思う作品でしたけど
大泣きした私でさえ、
ちょーっとムリがあるよなあと思えましたもん。
2. Posted by
moco fleeks
2005年03月29日 00:31
「吉永小百合映画」だというのが、残念で仕方ありません。
いい作品なのにね。
いい作品なのにね。
3. Posted by
exp#21
2005年10月24日 14:19
なんか色々手を出しすぎてもったいない感じのする映画でした。吉永小百合さんの年がとても気になりました。ちょっと辛かったです。
4. Posted by
桂木ユミ
2005年10月24日 14:25
>exp#21さま
こんにちは。
確かに。渡辺謙との夫婦役にはどうしても無理がありましたよね。
こんにちは。
確かに。渡辺謙との夫婦役にはどうしても無理がありましたよね。






