2005年04月12日

好きじゃないタイプの人間の伝記映画◆『アビエイター』2

4月12日(火)TOHOシネマズ木曽川にて

『アビエイター』のような話題の大作は、公開直後に観に行ってもきっと混んでいるだろうし、どうせロングラン上映するだろうから、慌てて行かなくてもいいや…と思っていた。だから、今日はちょっと溜まっている仕事を残業で片付けてから、ウチに帰ってテレビで『世にも奇妙な物語』でも観るつもりにしていた。ところが、残業の合間にネットでTOHOシネマズの上映スケジュールを何気なく覗いてみて焦った。私がホームグラウンドにしているTOHOシネマズ木曽川では、来週から『アビエイター』はレイト上映がなくなり、昼間2回だけの上映になっていたのだ。まだ始まったばかりだと思っていたのに、こんなに早くそういう扱いになっちゃうの?1月に公開された『オペラ座の怪人』だって、まだ1日3回も上映しているというのに。とにかく、うっかりしていると見損ねてしまうので、慌てて仕事を片付けて退社し、急遽、今日観に行くことに決めた。

上映開始5分前、チケットに指定された番号の劇場に入って驚いた。客がひとりも居なかったのだ。上映15分前には開場するので、5分前に劇場に入れば、何人かは座席に座っているのが普通なのに。早々に公開が縮小されるので、客入りが悪いことはある程度は想像出来たが、まさかこれほどまでに酷いとは。もしこのままあと5分間、誰も人が入ってこなかったら、私は広い劇場の中、たったひとりで『アビエイター』を鑑賞することになる。「まぁ、それも悪くないかな」などとも考えていたが、さすがにそうはいかず、それからパラパラと人が入ってきて、結局観客は全部で10名ほどになった。それでもたったの10名程度。この映画に人気がないことには変わりはない。


父から莫大な遺産を継いだ青年ハワード・ヒューズ(レオナルド・ディカプリオ)は、その財を注ぎ込んで、航空アクション映画の製作にのめり込む。完成した映画はハリウッドで大成功をおさめ、彼は一躍セレブリティの仲間入りを果たした。やがて、人気女優キャサリン・ヘップバーン(ケイト・ブランシェット)と恋に落ちたハワードは、彼女を心の支えにしながら、映画製作の仕事も、最速の飛行機を作るという夢も順調にこなしていた。しかし、異常なまでに夢にのめり込みすぎた彼は何かが狂いはじめ、次第に正気を失って行く。


…長い。…つまらない。
上映時間が2時間51分もあるというのに、私は既に中盤からじっとしていることがキツかった。アカデミー賞作品賞にノミネートされ、宣伝効果は抜群であったはずなのに、こんなにも人気がない理由も、早々に上映が縮小される理由も、作品を観てみてよく分かった。

(私はそれほど面白くなかったが)多くの人が絶賛した『Ray/レイ』と同じく、この作品も、実在したハワード・ヒューズという人物の伝記映画である。しかし、そこには『Ray/レイ』のようなエンターテイメント性はほとんどなく、華やかなハワード・ヒューズの人生と、その心の裏側のダークな部分の対比をメインに描いている。『Ray/レイ』では、レイ・チャールズの内面が見えなかったことが不満だったのに、十分すぎるほどハワード・ヒューズの心の中を見せてくれたこの作品も、やはり面白くなかった。その理由のひとつは、私がハワード・ヒューズという人物を全く知らなかったということであるが、それより何より、映画で語られているハワード・ヒューズという人物に全く人間的な魅力を感じなかったことに問題がある。

傲慢、強欲、自己中心的、そして潔癖症。野心を持ち、自分の夢を叶えるために、まい進する男性の姿は素敵だと思うが、お金にモノを言わせて、周りに無理難題をふっかけ、威張り散らす人は好きじゃない。好きじゃないタイプの人間の伝記を観ていても面白くない。それだけの話だ。

そんな映画の中で特筆すべき点といえば、やはりレオナルド・ディカプリオの演技に尽きるだろう。異常なまでの野心に正気を失っていくという、後半のディカプリオの演技は、アカデミー賞会員にどれだけスカンされようとも、やはり凄いとしか言いようがない。元々、『タイタニック』に出演する前は、彼も"演技派"として認められていたのだ。今回はアカデミー賞受賞は逃したものの、今後の"演技派"としての彼に期待したい。ただ、これをきっかけに、賞を狙いすぎた作品選びをするようにならなければいいな、と思う。

退屈で仕方ない映画だったので、本当なら★1コくらいの満足度だったけれど、ディカプリオの迫真の演技にもうひとつ追加して、★★という評価で。

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1. 『アビエイター』2005年34本目  [ 映画とJ-POPの日々 ]   2005年04月18日 00:15
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2. アビエイター  [ Rudy's Kitchen ]   2005年08月27日 23:55
アビエイター レオナルドディカプリオ様のアカデミー賞ノミネート作品です。 はぁ・・・映画で見たかったのですが行くタイミングが合わず 結局レンタルDVDにて観ました。 まずはレオの演技の感想。 中には皮肉なのか絶賛??なのかレオの演技を「怪演」と 言う人...
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7. アビエイター・・・・・・・・・・  [ サクっと ]   2005年09月19日 01:41
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8. 強迫観念  [ toyz ]   2005年10月30日 14:05
アビエイター 通常版 長いです…。 とかく最近のマーティン・スコセッシ映画は好きになれないですね〜。 ハワード・ヒューズの潔癖症、強迫観念という部分はよく描かれていましたが、物語としていまひとつ何が一番描きたかったのかが見えませんでした。
9. アビエイター  [ おすすめ本と最新映画情報【書評と映画レビュー】 本検索、本通販、映画館、読書感想文、評論、批評 ]   2005年12月16日 20:20
4 アビエイター プレミアム・エディション アビエイター 通常版 アビエイター アビエイター(スコア) アビエイター おすすめ度:★★★★  この映画は、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ製作&主演で、銀幕と大空への夢を追い続けた実....
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    評価:★2点(満点10点) 監督:マーティン・スコセッシ 主演:レオナルド・デカプリオ ケイト・ブランシェット     ケイト・ベッキンセール ジュード・ロウ 2004年 126min 20歳を過ぎたばかりの長身の美青年ハワード・ヒューズは...

この記事へのコメント

1. Posted by 健太郎    2005年04月18日 00:53
TBありがとうございます。
レオがハワード・ヒューズの伝記にはまった結果作られた作品と聞いたのですが、出来上がってみれば見事にスコセッシ作品でしたね。
投げっぱなしのラストは不満ですし、「ハワード本人はもっと酷かった」と云う彼の人生描写も、削ったんならもっとソフトにすればいいのに、と残念連発でした。
20S、30Sの衣装は豪華でしたけどね。
2. Posted by moco fleeks    2005年04月18日 01:29
>健太郎さま

こちらこそ、ありがとうございます。
実はもう、ラストがどうなったのか覚えてません…。
「早く終わらないかなー」とそればっかりで、終わった瞬間に「やっと終わった〜」と気が抜けてしまって、翌日にはもうどんなラストか覚えていないような状態でした。
"お金をかけた映画"ということは分かりましたが、胸に響いてくるものが何もありませんでした。
期待していただけに、残念でした。
3. Posted by あっしゅ    2006年05月07日 09:13
TBRありがとうございました。
この映画はお金を沢山使って、しかも俳優人もすごく有名な人たちを使っているのに、内容がつまらなかったと思います。すごく眠たくなってきました・・・。こういう成功もので感動するのは、貧乏が前提でないと面白くないし涙も出ないと思いますねぇ。
また遊びに来ますっ。
4. Posted by 桂木ユミ    2006年05月08日 22:24
>あっしゅさま
こんにちは。
この作品を観たのは、もう1年以上前になりますが、今では「長かった…」という印象しか残っていません。ディカプリオ、熱演していたんですけどね。
また遊びに来て下さい。

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