2005年04月14日

観る度に好きになる映画◆『エターナル・サンシャイン』(3回目)5

4月14日(木) TOHOシネマズ木曽川にて

2回目を観た時、「やっぱり好き。もう一回観たい」と思った『エターナル・サンシャイン』も、今週金曜で上映が終わってしまう。金曜日は既に別の予定が入れてあるので、この映画をスクリーンで観られるチャンスはもう今日しかない。今週に入ってから、仕事が終わってから毎日映画館通いなので、本当は今日くらい、自宅でのんびりとテレビでも観ようと思っていたのに、行かないと後悔するような気がして、また劇場へ向かってしまった。先週の土曜日から、6日間のうち4日もTOHOシネマズ木曽川に通っている。結構いいお得意さんなんじゃないかな?

面白かった映画を2回劇場に観に行くことは何度もあるが、こんなふうに3回以上通うことはそれほど多くない。私のようなリピーターが多いのかどうかは分からないが、劇場には30人くらい入っていた。公開4週目の平日のレイトショーでこの入りは、私が知っている限り、この劇場では「結構入っている方」である。

1度目を観ていた時、クレメンタインの髪の色とジョエルの車に付けられた傷が、時間軸を解く鍵となることが分かった。しかし、最初は気づかなかった色々なことが、2回目に観た時には分かった。冒頭のモントークの海岸でジョエルが日記を書くシーンでの、「なぜだろう、ページが破られている」というセリフ。もうこの時からすでに、時間軸を解く鍵は用意されていたのだ。「日記を書くのは2年ぶりだ」と言っていることから、ジョエルとクレメンタインの付き合いが2年であったことが分かり、「ナオミと寄りを戻すべきだ」と言っていることから、ジョエルが過去の恋愛に未練を残し、後悔しやすい性格であることも分かる。冒頭5分での隠し技は、1回観ただけでは分からない。この映画は2回目が一番面白いのだ。

映画も3回観ると、次にどんなセリフが出てくるのか分かるようになる。だから、出来るだけ今回は字幕を読まないようにし、原語のセリフに集中して観てみた。ラクーナ社の博士・ハワードがメアリーに過去の関係を告白した時、彼は"We have a history"と言っていた。2度目に観た時、私は「記憶の断片を盗んでも、歴史までは盗むことが出来ない」と書いたが、たぶんこのセリフが頭に残っていて、あの文章を書いたのだと思う。それほどまでに印象的なセリフだったのに、字幕ではそれを「不倫だ」と訳していた。それって、なんだかセンスなさすぎじゃない? ストレート過ぎて、"history"の持つ深い意味が伝わってこない。

"クレメンタイン"という変わった名前も、記憶を失った"バレンタイン"の朝のジョエルの心に何かを訴えるためにつけられているのだろうな、と思っていた。ジョエルがラクーナ社でクレメンタインについて話したテープには「彼女は発音が悪いから、いつも恥ずかしい思いをする」と録音されていた。日本語字幕では、言葉の響きや発音までは分からない。この映画を原語で全て理解出来れば、きっともっと色んな面白さが隠されているのかもしれない。そう思うと、この映画を理解しきれないことが、ちょっと悔しい。

2回目に観た時、私はクレメンタインがジョエルの部屋を飛び出した原因は、「お前は誰とでもファックする」と言われたことが原因だったと書いた。もう一度観てみると、言い方はちょっと違っていて、「誰とでもファックするのが、君の得意技」だったのだが、この言葉にクレメンタインが過剰に反応したのは間違いなかった。

それを読んだ私の妹が、この映画をリピートして感想を送ってきた。それには「クレメンタインはその言葉に再び傷ついてもう一度部屋を飛び出す」と書いてあったので、今回はそこにも注意して観てみることに。

確かにそうだった。記憶を消されたクレメンタインが再びジョエルと出会って彼のアパートを訪ねた時、ジョエルは自分が彼女をなじるテープを聞いていた。「髪の色が馬鹿げている」とか、「発音が悪い」とか、「雑誌しか読まない」とか、散々になじられる言葉を、彼女はジョエルと一緒に黙って聞いていたのに、「彼女は誰とでもファックするのが得意なんだ」という言葉を聞いた瞬間に「傷ついたわ。帰る」と言って部屋を飛び出す。それだけが、事実ではなかったからだ。

見掛けはクレイジーでも、彼女はそういう人間ではない。2年も付き合って、自分を理解してくれていると思っていたジョエルにそう言われたことは、彼女にとって相当なショックだっただろう。しかし、再びジョエルと出会った彼女は、その言葉を許した。「ジョエルは自分のことを知らなくて、当たり前」だからだ。

この映画は2度目が面白い。その感想は、3回観ても変わらなかった。でも、観る度に色んな発見があって、どんどんと好きになる。そんな映画だ。DVDになるのが待ち遠しい。


2回目に観た時の感想はこちら

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この記事へのコメント

1. Posted by zattchi    2005年04月20日 02:11
TBありがとうございました
すごい!3回目
しかも毎日のように映画・・・うらやましいです
試写会で見たきりまだ見てません・・・パンフも欲しいし・・
DVDの情報も見ました
なんかこの映画は本当になんどもおいしそうです
「エターナルサンシャイン」だけで、かなり盛り上がれますね!
「フレンチのしあわせのみつけ方」のイヴァンとシャルロット夫妻も2004年一番だそうです

2. Posted by cop    2005年04月20日 06:06
トラックバックいただいていました。
どうもありがとうございます。
三回目ですか。
いいですね。
たしかに、もう一度観たくなる一本でした。
二回目がおもしろい、なんていわれると、観ておけばよかったなあと思ってしまいました。
3. Posted by ぺぺ山田    2005年04月20日 11:56
こんにちは。TBありがとうございます。
私も、"We have a history"のセリフを、不倫していたって訳されていて、随分と直截的だなぁと思いました。
映画のなかで、それが一番手っ取り早く2人の関係を誰にでもよく理解できる表現に訳すると、そうなってしまうのかなぁ、翻訳者も大変だなぁと。
もうちょっと長く上映されるのかなと思っていたけど、うちの方でも、今週いっぱいまでです。
スキっていう感想の方が多くって、ウレシイですね。
4. Posted by ファンシー中村ラ    2005年04月21日 01:04
どうも。TBありがとうございます。同じ映画を何度も観に行く事程、楽しくうれしい事はないですよね。他に何か新しいのをやってても、ついついもう1回観てしまう程好きな映画が出来たって事ですから。
 それこそ記憶を消したはずなのに、やっぱり同じ人を好きになってしまう、つい足がそっちへ向かってしまう、業?深層心理?でしょうか・・・・。
 ともあれ、映画館で好きな映画を何度も観る至福のひととき。大事にしたいですよね。ミーハーな私は今年、『スターウォーズEP3』を有楽町日劇で、新宿プラザで、スカラ座で、そして品川アイマックスシアターで・・・最低でも4回観る予定です。と、いうか6月末から7月いっぱいスターウォーズ休暇を取りたい位・・・・・・。
5. Posted by moco fleeks    2005年04月21日 19:43
>zattchiさま
こちらこそ、ありがとうございました。
パンフの表紙の写真も素敵でしたよ。
DVDの情報があるんですか!?
予約が開始されたら、すぐに申し込むつもりです。

>copさま
こちらこそ、ありがとうございました。
DVDになったら、ぜひもう一度ご覧になって下さい。
1度目が面白かった方なら、絶対に2度目も楽しめるはずです。

>ぺぺ山田さま
こちらこそ、ありがとうございました。
翻訳者の方も大変なんだろうとは思うのですが、もう少しセンスのある表現にして欲しかったです。
「私たちには過去が…」とか。

>ファンシー中村ラさま
こちらこそ、ありがとうございました。
この映画に関しては、リバイバル上映をやったらまた観に行ってしまうと思います。
数多くの映画を観ていても、そういう映画に出会えることって、本当に少なくて、
出会えたことだけでも幸せだと思っています。
6. Posted by zattchi    2005年04月30日 03:59
こんばんは
昨日、二回目行きました
もちろんパンフも買って!
やっぱり最高におもしろい映画です
何回見てもいいです。
僕は、子供のジムキャリーがいじめられているとこのシーンが好きです。ケイトとジムのやりとりがイイ。
パンフのできもすごくいい感じでした。
米国版のDVDには映画にはない、他のサイドストーリー入っているらしいです。
7. Posted by moco fleeks    2005年05月01日 01:56
>zattchiさま
こんばんは。
二回目ご覧になったのですね。
パンフも無事入手されて、良かったですね。
DVDに入っているのはどんなサイドストーリーなんでしょう。
個人的にはメアリーと博士の物語が観てみたいです。
8. Posted by aoi    2005年11月12日 18:39
5 こんばんは、はじめまして!
historyに関して私もまったく同じこと思いました!
ついにDVDになったため何度も観ています♪
そして新たにいろんな発見してますますこの作品から離れられなくなりそうです^^
TBさせていただきました。
9. Posted by 桂木ユミ    2005年11月13日 13:00
>aoiさま
こんにちは。
TBありがとうございます。
TBの記事、とても興味深く読ませて頂きました。
私もようやく手元にこの作品を置くことが出来て、これから何度でも観てしまいそうです。

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