2005年07月08日
会社を実名で批判したリアルなドラマ◆『インサイダー』
社長と意見を対立させた、タバコ会社B&W社の副社長ワイガンド(ラッセル・クロウ)は、ある日突然、解雇を言い渡される。彼は、多額の退職金と病気の娘の医療手当を得るため、退職の際に“会社内部の情報を一切外部に漏らさない”という終身守秘契約に同意させられていた。一方、CBSテレビのプロデューサー、バーグマン(アル・パチーノ)は、フィリップモリス社の極秘ファイルを手に入れ、タバコをテーマにした報道番組を製作しようとしていた。
ファイルについて詳しく説明出来る人物を探していたバーグマンは、ワイガンドの存在を知り、接触を試みる。しかし、バーグマンと接触したことをきっかけに、ワイガンドはタバコ会社から執拗ないやがらせを受け始める。
行動を常に監視されていることを知り、守秘義務と自らの信念の板ばさみで苦悩するワイガンド。彼の退職は、タバコに含まれる発ガン性物質を除くよう社長に申し出たことがきっかけだったのだ。家族を心理的に追い込むまでの圧力をかけるタバコ会社に対する気持ちは、やがて彼の中で怒りにも変わり、彼はインサイダー〈内部告発者〉となる決意をする。
かなり前のことになるが、アメリカでタバコがガンを引き起こしたか否かをめぐる裁判で、原告が勝ったという記事を読んだ記憶がある。しかし、その勝訴の裏にこんなドラマがあったとは、知る由もなかった。ラストで、このドラマにはある程度の脚色が施してあるというテロップが出るが、事実に基づき、実在のタバコ会社やテレビ局を実名のまま批判する内容は、下手な作り物のドラマよりもずっと説得力があり、この映画で語られている出来事の重さを感じることが出来た。
企業という大きな力に圧迫されて怯え、怒りながらも、人間として正しいと思ったことを全うしようとした強い意志と、男の意地を見せる男をラッセル・クロウが熱演している。この作品のメインキャストはアル・パチーノなのだろうが、私にはラッセル・クロウがメインの映画のように感じられた。
会社という組織の中で働く誰もが、色んな不満を抱えていると思う。しかし、例えば自分が不当に解雇された時、その会社を敵に回して真っ向から勝負する勇気はあるのだろうか? ワイガンドの立場に立った時、私だったらどうするだろうか? 私もひとりの社会人として、大きな問題を投げかけられた気がした。
(2000年6月、劇場にて鑑賞)
トラックバックURL
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
遅れましたが、初めまして♪
まぁ、トラックバックの意味もあまりよくわかってないんだけどね(笑)
「インサイダー」、アタシはアル・パチーノが好きだから、とっても楽しめたわ。
ラッセル・クロウは個人的には好きじゅないんだけど、この役は素晴らしかったと思う。
と、見終わって、自分に問いかけずにはいられない映画でしたね。
TBありがとうございました。
こんにちは。
>トラックバックの意味もあまりよくわかってないんだけどね
私は同じテーマでブログを書いている人たちと意見の交換の場…と解釈してます。
アル・パチーノがいい役者というのは当然ですが、ラッセル・クロウも本当にいい役者ですよね。
こんにちは。
実話。しかも実名を出してしまっているだけに臨場感に溢れたドラマでした。
私には…そんな勇気ないだろうなー。
正義を貫いたワイガンドは凄いと思います。






