2005年09月23日
分かりやすいエンターテイメント作品◆『グラディエーター』
西暦180年、大ローマ帝国。兵の統率力があり、戦いを勝利へと導く力を持ったマキシマス将軍(ラッセル・クロウ)は、皇帝・アウレリウスに絶大な信頼を寄せられていた。マキシマスはアウレリウスから次期の皇帝の座を継いで欲しいと告げられ、困惑する。アウレリウスには実の息子・コモドゥス(ホアキン・フェニックス)が居たのだ。父親がマキシマスに皇帝の座を継がせたがっていることを知ったコモドゥスは、その事実が公になる前に父親を殺し、自分が皇帝の座に就いてしまう。マキシマスを逆恨みしたコモドゥスは、側近たちにマキシマスと彼の家族の処刑を命じた。マキシマスは辛うじてその場を逃げ出すが、彼が自宅に帰った時には、家族はコモドゥスの手下に無残に殺された後であった。生きる糧を失ったマキシマスはその場に倒れ込み、次に気付いた時には、奴隷として見知らぬ人間に拾われていた。剣闘士を養成する奴隷商人プロキシモに買われたマキシマスは、剣闘士として闘技場で見世物の戦いを強いられる。戦う意味を見出せないながらも、生きるために戦い続けるマキシマス。しかし、やがてコモドゥス皇帝の前で戦いを見せるチャンスを得た彼は、密かに復讐を誓う。 『ベン・ハー』に見られるような、古典的な復讐劇。正義感が強く、統率力があり、信頼も厚い男が、権力だけを武器にしている無能な男から妬まれ、徹底的にいたぶられる…という展開も、王道中の王道を行っている。しかしながら、スケールの大きさ、迫力とも素晴らしく、「これぞ映画だ!」と言えるものを見せてくれている。古代ローマの再現にはCGを使っているのだろうが、決してそれに気を取られることはなかった。それは、一番の見どころが生身の人間のアクションだからなのだ。格闘技が苦手な私なのだが、マキシマスの戦いのシーンでは、思いきり入り込んでしまった。それはきっと、マキシマス自身が格闘を見世物にすることに疑問を持ち、いつか自分が本当に倒すべき相手と向き合うことだけを考えながら戦いを続けていたからだろう。
普段は私は復讐劇というものにも簡単には気持ちが入り込まないのだが、善人マキシマスと悪人コモドゥスの役割があまりにも分かりやすく描かれているため、誰もがマキシマスの応援モードにならざるを得ない。久しぶりに、分かりやすくて誰もが楽しめる、スケールの大きいエンターテイメント作品を観た気がした。
(2000年6月、劇場にて鑑賞)






