2006年01月23日

武器商人の目を通して銃社会を批判◆『ロード・オブ・ウォー』3

c7a4f8ca.jpg1月18日(水)109シネマズ名古屋にて

ソビエト連邦崩壊前のウクライナに生まれたユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)。彼は少年時代にユダヤ系と偽ってアメリカに家族で移住し、幼少から偽りの身元を持ちながら生活していた。両親はニューヨークのブライトン・ビーチに、ユダヤ教の掟に適ったレストランをオープンし、ユーリーは親の仕事を手伝いながらも明日が見えない家業に嫌気がさしていた。そんなある日、ユーリーはロシア人ギャング同士の銃撃戦に巻き込まれそうになる。その時、彼はレストランが必要としている人に食事を提供するように、武器を必要としている人に武器を提供するのが自分の人生だと気づいた。すぐにユーリーは、弟のヴィタリー(ジャレッド・レト)を説得し、武器売買事業を二人で始めることにした。ユーリーは、制裁を受けて苦しむ政権に武器を売りさばきながら、闇取引の銃兵器密輸入に天性の才を見出し、商売は絶好調となる。


『Lord of War』=「戦争の支配者」。サブタイトルは「史上最強の武器商人と呼ばれた男」となっている。ユーリーのキャラクターは、実在する5人の武器ディーラーから抽出したキャラクターを融合して構築されているらしい。「架空であって架空でない、リアリズムに満ちている」と公式サイトには書いてある。

「今世界には5億5千丁の銃がある。ざっと12人に1丁の計算だ。残る課題は――“1人1丁の世界”」そう言いながら、「私は殺し屋じゃない。人を撃ったこともない。戦争で稼いではいるが、人が死なずに済めばと願ってる」と話すユーリー。一見矛盾しているようにも思えるが、あくまで銃を「人殺しの道具」としてではなく、ただの商売道具と割り切っているところが彼の特徴でもある。

『ディア・ウェンディ』でも書いたように、銃社会であるアメリカを描いた作品だけあり、彼らの銃への執着は日本人である私たちには到底理解出来ない。アメリカという国をちゃんと理解してこそ、この作品の面白さは分かるのだろう。

それでも、銃を扱いながら、この作品は痛烈にアメリカの銃社会を批判しているところが興味深かった。現に、ユーリーは大量の銃を平気で取り扱いながら、それを自らで使用して誰かを殺そうとは思っていないし、むしろ、そうなってしまうことを極端に恐れている。そして、刑事バレンタイン(イーサン・ホーク)に捕まった時に、彼に「自分はすぐに釈放される」と自身満々に話すユーリーの、「釈放されるべき理由」もシニカルで面白かった。

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6点 (10点満点。5点で普通。6点以上なら満足って感じです。) 色んな媒体でアクション扱いされてますが、これって全然アクションじゃない ですよねぇ。 劇場は分からないけど、少なくともレンタルでは人間ドラマよりもアクション の方が出が良いので、そーゆー扱いなんで...
23. ロード・オブ・ウォー  [ 映画鑑賞★日記・・・ ]   2006年06月21日 13:26
『LORD OF WAR』公開:2005/12/17監督: アンドリュー・ニコル出演: ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク、ブリジット・モイナハン、ジャレッド・レトー、イアン・ホルム、ドナルド・サザーランド、サミ・ロティビ、イーモン・ウォーカー ソビエト連邦崩壊前のウクラ....
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監督 アンドリュー・ニコル 主演 ニコラス・ケイジ 2005年 アメリカ映画 122分 ドラマ 採点★★★ “民主主義VS社会主義”という建前も冷戦の終結と同時に意味を成さなくなる。大儀を失った現代では、“圧制から人々を救う”という見え透いた嘘で戦争を続ける大国。その実...
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2005年 アメリカ 2005年12月公開 原題:Lord of War 監督、

この記事へのコメント

1. Posted by Andy    2006年01月24日 00:37
3 こんにちは。
ビッグネームの助演にE・ホークが出てくるとちょっと得した気分になりますよね♪
ある出来事がきっかけでトラック一台分の武器がオシャカになってしまった時のゲリラのcoolな仕草が可笑しかった。
戦争と平和のバッファは必要なのだ。
2. Posted by kobitopenguin    2006年01月24日 10:11
こんにちは(^^)
今作は内容は重たく感じましたが、所々コミカルなシーンもあったりして楽しめました♪
それと共に重が無くなる事はないんだなとも思わさせられました^^;
3. Posted by 桂木ユミ    2006年01月24日 19:21
>Andyさま
こんにちは。
私もまさかイーサン・ホークが出てくるとは思わなかったので、びっくりしたとともに、ちょっと得した気分になりました。

>ある出来事がきっかけでトラック一台分の武器がオシャカになってしまった時のゲリラのcoolな仕草が可笑しかった。

あのシーンは可笑しかったですよね。キレるかと思ったら、淡々と商談を成立させて。「ええっ!?」と思いながら笑いました。
4. Posted by 桂木ユミ    2006年01月24日 19:23
>kobitopenguinさま
こんにちは。
重い内容でしたが、それに反して可笑しなシーンが多く、軽い気持ちで観ることが出来ました。銃社会に対して、痛烈な皮肉を語っていましたよね。
5. Posted by 健太郎    2006年06月24日 18:02
2 今更ですみません。TBありがとうございました。
実在の武器商人の話を纏めただけあってリアルに感じました。
ニコラスはじめ皆さんの芝居が上手かったせいもありますが、世界の影を知りました。
内容が内容だけに制作費の確保や上映で制限が有ったそうですが、もっと知られるべき映画だと感じました。
「最大の顧客はあんたらのボス、アメリカ合衆国大統領だ」
この台詞のインパクトは多きかったです。
6. Posted by 桂木ユミ    2006年06月26日 01:41
>健ちゃん
こんにちは。
映画はひっそりと公開されていましたが、DVDの売り上げはいいみたいですね。
「最大の顧客はあんたらのボス、アメリカ合衆国大統領だ」
このセリフ、シニカルでしたよね〜。「うわ〜っ」って思っちゃいました。

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