2006年02月19日

戦争の無意味さを別の意味で感じた◆『ジャーヘッド』4

a07881d0.jpg2月16日(木)TOHOシネマズ木曽川にて

祖父が海兵隊出身であり、父がベトナム戦争休暇中に生まれた、青年スオフォード(ジェイク・ギレンホール)。彼は大学へ進学するか、海兵隊員になるかで迷うが、結局、彼女を故郷に残して海兵隊に入隊した。しかし現実は厳しく、スオフォードに待っていたのは、虐待と変わらない新兵訓練。とめどなく浴びせられる教官の汚い言葉と肉体的苦痛。やはり、大学へ行くべきだったかという疑問が、彼の頭をかすめた。
偵察狙撃隊STAの候補に抜擢されたスオフォードは、過酷な訓練の末、60名の候補者から絞り込まれた8名に残り、1発の銃弾に命を賭ける狙撃手へと成長していく。そんな折、CBSニュースがイラクのクウェート侵攻を告げる。そこに突然スピーカーから、STA隊員たちの本部招集のアナウンスが入り、遂に、彼らがサウジアラビアに派遣される日がやってきた。しかし、実戦を期待していた彼らの気持ちと、現実には大きなギャップがあった。スオフォードたちの仕事は、見渡す限りの砂漠を偵察し、敵のいない砂丘に手榴弾を投げ、想像の地雷原を進み、敵を"待つ"。そればかりが果てしなく続いた。兵士たちはただ、退屈な砂漠での訓練を延々とさせられることになったのだ。そして、砂漠に来て175日目。兵士たちに出撃の命令が下り、いよいよ国境に進撃する時が来るが…。


戦争を賛歌する作品は、私は好きではない。ましてや、「戦場に行くために」自ら志願して海兵隊員になったスオフォードに共感出来るものはない。国民性の違いがあるので、「戦争が無意味なこと」という感覚は、アメリカ人と日本人では全く違い、同じ感性でこの作品を観ることは無理だろう。しかし、この作品は、ひとりの兵士の目を通して、彼が行ってきた「戦争」がいかに無意味なことであったかよく分かり、普通の戦争映画とは違う感覚で観ることが出来て興味深かった。テレビで報道されていた湾岸戦争の映像は衝撃的だったが、その裏に、こんな無意味な訓練を延々と続けていた兵士たちの姿があったとは、それもまた驚きだった。

「一度も撃たなかった4日と4時間と1分…。それが僕の戦争だった」

このキャッチフレーズが、厳しい訓練の末に狙撃手に選ばれたスオフォードにとっての、湾岸戦争の全てを語っている。スオフォードにとっての「湾岸戦争」とは一体なんだったのか。得たものは何もなく、結局失ったものは大きかった。『ジャーヘッド』とは高く刈り上げてお湯を入れるジャーの形をしている髪型を称して、海兵隊員のことを意味しているらしいが、スオフォードはそれを「空っぽの頭」と訳している。それが、スオフォードの「戦争」に対する皮肉なのだろう。

冒頭とラストでこんな言葉がスオフォードから繰り返される。

「男は何年も銃を持ち、そして戦争へ行く。帰国し、もう銃は手にしない。だが、その手で何をしても、女を愛したり、家を建てたり、息子のオシメをかえても、その手は銃を覚えている」

とても興味深い言葉だった。「面白い映画」とは少し違う。しかし、心に残る作品になった。

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祖父も父も「ジャーヘッド」という青年スオフォード(ジェイク・ギレンホール)。彼もまた迷わず海兵隊に入隊し、訓練に耐えきって見事偵察狙撃隊・STA候補に抜擢される。そんな折、ニュースではイラクのクウェート侵攻を告げていた。戦地へと派遣されたスオフォードだ...
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9. ジャーヘッド  [ カリスマ映画論 ]   2006年02月23日 02:27
【映画的カリスマ指数】★★★★☆  叩き込まれた戦争欲、後に残るは空しさだけ
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戦場は、あなたの中にある。 CAST:ジェイク・ギレンホール/ピーター・サースガード/クリス・クーパー/ジェイミー・フォックス 他 ■アメリカ産 123分 戦争ものは苦手だけど、予告編見て音楽がかっこよかったのと、坊主頭のジェイク・ギレンホールがちょっとかわいかっ...
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↑前売り券のおまけのシリコンバンド 今年はテロや戦争を題材にしたノンフィクションが多いなぁ。その中でもイノセントボイスとホテルルワンダは僕にとっては最高の傑作でした。果たして今回見たジャーヘッドはどうでしょうか。
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不遜な言い方をすれば、戦争は祭り、兵隊は神輿の担ぎ手。そして、祭りの後、人の心に残るもには、なんなのか? 海兵隊の訓練での、すさまじい洗脳教育。どうすれば、生きられる
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本日の2本目は「ジャーヘッド」 軍に入り厳しい訓練を受け、海兵隊の狙撃兵となって
15. ジャーヘッド・・・・・評価額1300円  [ ノラネコの呑んで観るシネマ ]   2006年02月26日 02:38
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16. ジャーヘッド(★★☆☆☆)  [ お気楽で行こう! ]   2006年02月27日 22:29
2005年アメリカ映画 123分 監督:サム・メンデス 出演:演 ジェイク・ギレンホール 、ピーター・サースガード 、クリス・クーパー 、ジェイミー・フォックス 最近、ちょっと忙しくて、更新遅れましたが、今年6本目。 ジャーヘッド: 高く刈り上げてお湯を入れるジャー...
17. ジャーヘッド  [ 映画通の部屋 ]   2006年03月04日 20:07
「ジャーヘッド」JARHEAD / 製作:2005年、アメリカ 123分 R-1
18. ジャーヘッド  [ 八ちゃんの日常空間 ]   2006年03月05日 06:23
戦地では、兵士たちの生活がある。特殊な環境でのその暮らしを通じて戦争が何かを語っている。が、しかしこれは反戦とかのメッセージ映画ではない。単に海兵隊員の体験談を映像化しているに過ぎないのだ。 戦争を知らない一般市民には想像を超える世界がそこにあったのだ。
19. 映画のご紹介(100) ジャーヘッド  [ ヒューマン=ブラック・ボックス ]   2006年03月05日 20:56
ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介(100) ジャーヘッド-戦闘シーンがないのに しっかり「戦争」が見えてくる映画だ。 「ジャーヘッド」は、湾岸戦争に出兵した海兵隊員の回顧録を映画化したもの。 世界のほとんどの人が、C...
20. ジャーヘッド  [ ☆えみたんの日記帳☆ ]   2006年03月07日 10:03
昨日は珍しくバイトなかったから映画見てきたよヽ(*^^*)ノ 前々から見たかったあの 「ジャーヘッド」を・・烈y(^ー^)y烈 ストーリー 祖父、父に次いで海兵隊に入隊した青年スオフォードは、 苛酷な訓練を経て、偵察狙撃隊STAの一員としてサウジアラビ...
21. ジャーヘッド  [ オイラの妄想感想日記 ]   2006年03月09日 07:35
4 戦いの無い戦争映画、リアルだけどヒットはしないよな(笑) ネタバレ&品の無い表現アリ
22. ジャーヘッド−(映画:今年36本目)−  [ デコ親父は減量中(映画と本と格闘技とダイエットなどをつらつらと) ]   2006年03月13日 00:54
監督:サム・メンデス 出演:ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ジェイミー・フォックス、ジェームズ・モリソン、スコット・マクドナルド、ブライアン・ケイシー 評価:84点(100点満点) 公式サイト プラトーンで描かれたようなジ...
23. 『ジャーヘッド / JARHEAD』 ☆今年23本目☆  [ honu☆のつぶやき 〜映画に恋して〜 ]   2006年03月26日 08:01
3 『ジャーヘッド』公式サイト:http://www.jarhead.jp/top2.html原題:JARHEAD製作:2005年アメリカ監督:サム・メンデス出演:ジェイク・ギレンホール/ピーター・サースガード/ルーカス・ブラック/クリス・クーパー/ジェイミー・フォックス《公開時コピー》最高の生き方が....
24. ジャーヘッド  [ シネクリシェ ]   2006年03月26日 20:38
 この映画を、たとえばオリバー・ストーンあたりが観たら、どのような感想を洩らすだろうか……、これがこの作品を見終ったあと、まず頭に浮んだこと
25. お題:『ジャーヘッド』  [ 映画の一言二言 ]   2006年04月16日 10:08
ジェイク・ギレンホール。 ジャーヘッド(丸刈り頭)になっても、 「トイ・ストーリー」のウッディにそっくりですね。 ディズニーランドの着ぐるみの方のね。 オフィシャルサイトはこちら。
26. ジャーヘッド  [ ぶっちゃけ…独り言? ]   2006年06月24日 05:33
5点 (10点満点。5点で普通。6点以上なら満足って感じです。) なるほどねぇ〜。 単に戦争映画と言うよりは湾岸戦争における兵士達の日常を描いた人間ドラマ ですね。 で、所詮戦争なんて頭空っぽな奴らが行くもんなんだと言う事ですか。 そりゃそーだ。 まともな神経じゃ...
27. ジャーヘッド (Jarhead)  [ Subterranean サブタレイニアン ]   2006年07月31日 20:02
監督 サム・メンデス 主演 ジェイク・ギレンホール 2005年 アメリカ映画 123分 戦争 採点★★★★ 小学校の頃、日曜の校庭で楽しそうに野球をする損に見事に騙されカブスカウトに入ってしまった私。夏はキャンプに冬はスキーと、楽しいイベントも多かったのだが、それ以外は...
28. ジャーヘッド…随分前に購入していたのですが先週鑑賞  [ ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画 ]   2006年10月09日 16:54
一昨日{/kaeru_fine/}はゲーム三昧{/game/}{/face_ase2/} 昨日{/kaeru_fine/}は仕事{/pc2/}{/face_hekomu/} と、この連休(&好天気{/kaeru_fine/})を無駄に費やしてきた私{/face_ase2/}ですが、今日は出かけましたよ{/cars_red/}{/up/}… といっても、ヨメと娘に付き合って...
29. ジャーヘッド  [ 銀の森のゴブリン ]   2007年02月21日 23:49
2005年 アメリカ 2006年2月公開 評価:★★★★ 監督:サム・メンデス

この記事へのコメント

1. Posted by HIROMIC WORLD    2006年02月25日 22:25
桂木ユミさん、こんばんわ。
軍人を英雄視し、戦地に向かうことを栄誉であるという考え方がある限り、アメリカの立ち位置は変わらない。いや、変われないのだと思います。同じ英雄視するのなら、9・11の時のように消防士など、日常生活の中で市民の安全のために頑張ってる人に目を向けるべきですよね。
2. Posted by ノラネコ    2006年02月26日 02:41
数兆円も使って50万人を地球の反対側に送り、毎日下ネタ大会をやってたと考えると、戦争とは本当に壮大な無駄使いだという事がわかりますね。
個人的には今ひとつのり切れなかった映画ですが、力作であるとは思います。
3. Posted by 桂木ユミ    2006年02月26日 13:15
>HIROMIC WORLDさま
こんにちは。
アメリカでは、根本から日本人とは考え方が違うのでしょうね。結果論ですが、戦争に勝った国というのは、そのことに「誇り」を持っているのでしょう。戦争に対する考え方を同じ「ものさし」で計ることは、この先、アメリカがどこかの国と戦争をして負けない限り、無理なのだと思います。
4. Posted by 桂木ユミ    2006年02月26日 13:44
>ノラネコさま
こんにちは。
本当に「戦争って何なんだろう」って改めて感じさせられる映画でした。宗教的な考えの違いは仕方ないと思いますが、それで殺し合いをしなくても…。人間はいつまでこんな愚かなことを繰り返すのでしょうね。

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