2006年02月21日

「報復」に同調出来ない◆『ミュンヘン』2

703bed2d.jpg2月18日(土)TOHOシネマズ名古屋ベイシティにて

1972年9月5日、開催中だったミュンヘン・オリンピックで、パレスチナゲリラ"ブラック・セプテンバー 黒い九月"によるイスラエル選手団襲撃事件が起こった。11人のアスリートが殺された。深い哀しみの中、政府が下した決断は「報復」だった。イスラエル特殊部隊"モサド"は、政府に事件を起こした11人のパレスチナ人ゲリラを暗殺することを命じられる。 リーダーに任命されたのは、人を殺したことはないアフナー(エリック・バナ)。彼は、他4人のスペシャリストと共に、アラブのテロリスト指導部11人を一人一人消して行く。


この作品は全く私の肌に合わなかったようだ。164分が退屈で退屈で仕方なく、早く終わらないかということばかり考えていた。「目には目を、歯には歯を」という考え、「やられたらやりかえせ」という考え――つまり「報復」という考えには、最初から同調出来ないのだ。スピルバーグはきっと、「報復」が無意味であることを伝えたいがために、事実を元にこの作品を作ったのだろう。それは分かる。でも、正直に言って、観ていて面白い作品だとは思えなかった。

実話ベースなので、事実を受け入れて観るしかないのだが、私は目の前で延々と繰り広げられる報復劇に、ただ、悲しい気持ちを感じることしか出来なかった。これは個人をターゲットにしているだけで、「戦争」と変わらない。主人公は自分の仕事に疑問を持たなかったのだろうか。与えられた任務なので、仕方なくこなしているだけだったかもしれないが、私には主人公の苦悩が伝わってこなかった。伝わってきたのは、自分も殺されるかもしれないという恐怖だけであり、人を殺すことの恐怖ではなかった。『ジャーヘッド』の感想でも書いたが、私は「戦争」を賛歌する物語が好きではない。殺す側に「人を殺すことの苦悩」を感じなければ、その物語に魅力を感じることは出来ないのだ。

実話なので、過剰な演出は出来なかったのだろうとは思うが、テロリストの最後のひとりを殺すまで続けられるかと思われた報復劇はあっけなく終わり、エンディングも中途半端な印象だった。この事実をスピルバーグが映画にして、何を訴えたかったのか。私にはそれが分からなかった。

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2. ミュンヘン  [ Akira's VOICE ]   2006年02月22日 10:29
事実以上の驚きは無い。 でも,響くメッセージは胸に刺さる。
3. ミュンヘン  [ 何を書くんだろー ]   2006年02月22日 12:59
「ミュンヘン」 評価 ★★★★☆ 『あらすじ』  1972年、ドイツのミュンヘンで開催されるオリンピックのため、選手たちが次々と選手村へと集まる 中、ブラック・セプテンバー(黒い9月)と名乗るテロ集団によって、イスラエル人の選手、コーチ、大...
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5. 『ミュンヘン』  [ ちばちゃん的、こころ! ]   2006年02月23日 00:16
渋谷に映画観に行こうと思いましたが時間が合いませんでした。寒いし、朝から午後二時まで心臓のデンジャラスゾーンなので休みの日はできるだけ出歩きません。そういやぁ〜12月中旬に発病後大体午後一番に発作がありました。 府中のTOHOシネマズに映画を観に来まし....
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28「ミュンヘン」(アメリカ)  ミュンヘン・オリンピック開催中の1972年パレスチナゲリラ??黒い九月??のメンバーによってイスラエル選手団襲撃事件が起こる。選手は全員殺され、ゲリラも射殺乃至は捕まる。この事件はオリンピックの歴史を語る上で必ず出てくる悲劇...
7. ミュンヘン  [ HIROMIC WORLD ]   2006年02月25日 22:26
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8. *ミュンヘン*  [ Cartouche ]   2006年02月26日 00:44
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(\'A`)<スピルバーグよ、なぜ2時間にまとめられない <img src=\"{_img_}1000567_01.jpg \"> 映画館で途中で腕時計を見ることなんて久々でした。見た時間はちょうど始まってから1時間半でした。120分前後の映画なら段々話
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12. ミュンヘン  [ とりあえずな日々(仮) ]   2006年03月02日 00:00
4 1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック。 パレスチナゲリラ「黒い九月(ブラック・セプテンバー)」によるイスラエル選手団襲撃事件が起こる。 人質となった選手11名は全員死亡。 これに激怒したイスラエル機密情報機関モサドは秘密裏に暗殺チームを編成、首謀者11名の....
13. ミュンヘン  [ 映画通の部屋 ]   2006年03月04日 20:05
「ミュンヘン」MUNICH / 製作:2005年、アメリカ 164分 PG-12
14. 「ミュンヘン」  [ ヨーロッパ映画を観よう! ]   2006年03月05日 03:09
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16. ミュンヘン  [ オイラの妄想感想日記 ]   2006年03月30日 07:05
ヤッパリ、スピルバーグは悪趣味だね。 だから、好きなんだけどね(笑) ネタバレありです。
17. 「ミュンヘン」  [ こだわりの館blog版 ]   2006年05月14日 08:59
2/18 丸の内プラゼール にて やっぱりスピルバーグって【職人監督】だよなぁ。 監督:スティーヴン・スピルバーグ 脚本:トニー・クシュナー、エリック・ロス 出演:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラー、他   
18. ミュンヘン  [ ぶっちゃけ…独り言? ]   2006年07月13日 03:47
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19. 『ミュンヘン』 血と涙の連鎖  [ *モナミ* ]   2006年10月16日 19:54
「映画は娯楽であるべき」がモットーの私には、 とても重い映画でした。 だけども、目をそらすことの出来ない、 真実のストーリー。 どこまでも続く、憎悪の連鎖。 「敵」を消しても、消えない不安。 血で血を洗う報復劇。 それを断ち切ることが、なぜできない...

この記事へのコメント

1. Posted by たましょく    2006年02月22日 12:59
 ども、たましょくです♪

 この作品は、まさに娯楽として観て
欲しくないとスピルバーグ自身も思っ
ているかと。こんなことが繰り返され
映画として成立してしまうことこそが
「おかしい」と思えることって大事だ
と思います。

 まさにアヴナーの最後の「葛藤」こ
そが、この映画の一番のメッセージで
はないでしょーか。
2. Posted by ひろたん    2006年02月22日 17:45
こんにちは、「戦争」を賛歌する物語は私も好きではありません・・・ていうかそういう映画あまり見た覚えもありませんが。
この映画で印象に残ったこと。
○情報屋の暗躍とそのポリシー
 結局この情報屋が報復の糸を結び合わせているのですが、それが驚くほど見事に需要と供給のバランスを保っていることです。
○オランダ女性の殺し屋に対する復讐
 後味の悪い殺しでしたね、彼女に殺された男が幸せに思えました。
3. Posted by 桂木ユミ    2006年02月22日 20:45
>たましょくさま
ラストの「葛藤」に到達するまでが長かったです。それまでに飽きてしまって…。もう一度最初から観ると、印象は変わるかもしれませんね。でも、長いからもう観たくないです。

>こんなことが繰り返され映画として成立してしまうことこそが「おかしい」と思えることって大事だと思います。

それは私もそう思います。ラストに映る貿易センタービルが印象的でした。
4. Posted by 桂木ユミ    2006年02月22日 20:55
>ひろたんさま
こんにちは。

>「戦争」を賛歌する物語
私がすぐに思いつくのは『パールハーバー』くらいでしょうか。アメリカでは、アメリカ軍が日本を爆撃するシーンで拍手が起きたとか…。悲しい事実ですが、アメリカ人の戦争に対する感覚はそうなのだな、と思いました。

『Mr.& Mrs.スミス』のように、完全に「娯楽」としてならいくらでも楽しめるのですが、こういうリアルな作品では、殺す側の心の葛藤を見たいのです。たましょくさんへのコメントにも書きましたが、最後になって初めて見せてくれても、それまでにアフナーの気持ちに入れなかったので、ただ退屈を感じた作品になってしまいました。

いずれにしても「報復」とか「復讐」とか、嫌な言葉ですね。
5. Posted by lin    2006年03月16日 23:44
こんばんは。
自分も映画の前半は乗り切れなかったんですが、"home"というキーワードとエンディングのWTCビルで、ユダヤ系アメリカ人であるスピルバーグがこの映画に込めたテーゼが朧げですが見えたように思えました。
勝手な解釈ですが、ミュンへン事件をモチーフとしてはいますが、映画自体が9.11以降の世界へのメッセージじゃないかと感じています。
TBさせて頂きました。
6. Posted by 桂木ユミ    2006年03月18日 13:02
>linさま
こんにちは。
TBありがとうございました。
スピルバーグが描きたかったテーマをちゃんと理解してもう一度観れば、私ももう少し違う感想が持てるかもしれません。いつかBSかCSで放映された時、もう一度観てみようと思っています。

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