2006年04月07日
目を背けてはいけない事実◆『白バラの祈り〜ゾフィー・ショル最期の日々』
1943年のミュンヘン。ヒトラーが破壊的な戦争をヨーロッパで遂行する中、第三ドイツ帝国を失脚させるべく、レジスタンス組織、「白バラ」が結成された。ミュンヘン大学の女学生である21歳のゾフィー・ショル(ユリア・イェンチ)は、唯一の女性メンバーとしてグループに入り、兄ハンスと共に、大学構内でビラをまいているところを見つかって、ゲシュタポ将校に連行される。ゾフィーは数日間に渡り、尋問官モーアの取り調べを受けるが、無罪であることを主張。彼女は信念を強固にし、仲間の情報提供を頑なに拒み、モーアに立ち向かっていく。やがて決定的な証拠が上がり、ゾフィーは裁判にかけられることになるが、彼女はそこでも信念を曲げることはしなかった。
本年度アカデミー賞の外国語映画賞ノミネート作品。ドイツ・ナチスの歴史を語るに於いて、「白バラ」とは有名な組織の名前らしいが、歴史に疎い私は「白バラ」の存在も、ゾフィー・ショルの存在も、映画を観るまで知らなかった。タイトルが語る通り、ゾフィーは最後まで信念を曲げずに処刑という最も重い刑罰を受け入れ、逮捕からたった5日間でこの世を去る。その最後の5日間を描いた作品が、この『白バラの祈り〜ゾフィー・ショル最期の日々』なのだ。
シューベルトを愛し、恋人に生きる喜びを語る、普通の女学生ゾフィー。しかし、彼女はヒトラーの政権を許せなかった。尋問官はゾフィーの頑なさに心を打たれ、逃げ道を用意するが、彼女はそれでもまっすぐに自分の運命に立ち向かって行った。観ていてとても緊張する、別の言い方をすればストレスが溜まる作品だった。ゾフィーと兄のハンスが大学でビラをまくシーンから緊張の連続で、逮捕、尋問から証拠が上がり、処刑されるまで、それはずっと持続していた。
どんな時代にも、必ず反逆児は居る。それぞれに思想を持ち、それぞれの方法で既存のものに立ち向かっていく。しかし、ドイツ国内で誰もが「ハイル・ヒトラー」と叫んでいた時代、自分の命を賭けてそれに立ち向かっていった21歳の女性が居たということは、私にとっては衝撃的な事実だった。救いのないラストシーンの映画は、私は好きではない。でも、私はこの映画のラストシーンから目を背けることが出来なかった。目を背けてはいけないと思ったのだ。
ゾフィー・ショルを演じたユリア・イェンチは、『ベルリン、僕らの革命』でも主演のユール役として、時代の反逆児を演じていた。しかし『白バラの祈り』では、『ベルリン、僕らの革命』のような甘っちょろい反逆児ではなく、意思の強い、凛とした姿が印象的な女性を見事に演じきっていた。「白バラ」とは、決して彼女のことを指しているのではないのだろうが、「白バラ=ゾフィー・ショル」という例えは、ぴったりだったと思う。
またひとつ、映画によって知っておかなければいけない歴史を学んだ気がした。
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1. 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々・・・・・評価額1800円 [ ノラネコの呑んで観るシネマ ] 2006年04月08日 02:35
真の英雄は戦場や革命の先頭にいるとは限らない。
英雄という存在が、自己の良心と信念に基づいた行動を貫き通した人間だとすれば、ゾフィー・ショルは正しくその称号に相応しい。
2. 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 [ 日っ歩??美味しいもの、映画、子育て...の日々?? ] 2006年04月08日 08:50
「打倒ヒトラー」を市民に訴え、1942年6月頃から翌年12月まで、町中の壁にスローガンを書いたり、ナチス・ドイツの酷い現状を伝えるビラを配った抵抗グループ「白バラ」の紅一点であった21歳の大学生、ゾフィー・ショルが、1943年2月18日に逮捕され、同年2月22日に処刑される...
3. 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 [ Saturday In The Park ] 2006年04月08日 21:42
ドイツ
監督:マルク・ローテムント
出演:ユリア・イェンチ
アレクサンダー・ヘルト
ファビアン・ヒンリヒス
ヨハンナ・ガストドロフ
1943年のドイツ・ミュンヘン。反ヒトラーを唱えビラ配りなどのレジスタン
ス活動を繰り返す「白バラ...
4. 太陽は輝き続ける [ CINECHANの映画感想 ] 2006年04月09日 12:28
35「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」(ドイツ)
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5. 「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」(2005年 ドイツ) [ 三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常 ] 2006年04月20日 20:15
「白バラ」の心と呼ばれ21才で処刑されたゾフィー・ショルの 真実の物語。 1943年末期のヒトラー政権下でのミュンヘン。 「白バラ」のメンバーであるゾフィーと兄ハンスは、 大学構内でビラをまいているところを見つかり、 ゲシュタポ将校に連行される。
6. 白バラの祈り [ 八ちゃんの日常空間 ] 2006年04月21日 06:16
悲しい映画のはずなのに、ラスト近くで目頭が熱くなったものの、頬に涙が流れることはなかった。
なぜなのだろう。
きっと八ちゃんのツボにはまらなかっただけなのかも知れない。
7. 「白バラの祈りーゾフィー・ショル最期の日々」 [ don't worry!な毎日 ] 2006年04月21日 22:50
映画「白バラの祈りーゾフィー・ショル最期の日々」を見た。
「白バラ」とはヒットラー政権を打倒することを目標に密かに活動するグループ。
その中の紅一点、ゾフィー。
彼女は兄と一緒に自分の勉強する大学内でチラシをまいたことから、
ゲシュタポにつかまっ...
この記事へのコメント
1. Posted by
ノラネコ
2006年04月08日 02:38
息詰まる様な、圧倒的なドラマでした。
観終わって思わず、当時のドイツにも、日本にも、そして世界中に今も存在するはずの無数のゾフィーたちに思いを馳せました。
色々な意味でわが身を振り返らせてくれる映画でした。
観終わって思わず、当時のドイツにも、日本にも、そして世界中に今も存在するはずの無数のゾフィーたちに思いを馳せました。
色々な意味でわが身を振り返らせてくれる映画でした。
2. Posted by
桂木ユミ
2006年04月08日 22:50
>ノラネコさま
こんにちは。
まさにその通りの作品でしたね。例えば日本が戦争を始めたとしたら、私はきっと反対はすると思いますが、そのことに自分の命を賭けることは出来ないでしょう。ゾフィーは何という意思の強い女性だったのだろうと、この映画を思い返す度に思います。
こんにちは。
まさにその通りの作品でしたね。例えば日本が戦争を始めたとしたら、私はきっと反対はすると思いますが、そのことに自分の命を賭けることは出来ないでしょう。ゾフィーは何という意思の強い女性だったのだろうと、この映画を思い返す度に思います。






