2004年11月27日

切れたブレスレットと私の決意◆『ポーラー・エクスプレス』3

11月27日(土)晴れ / 『ポーラー・エクスプレス』(TOHOシネマズ名古屋ベイシティ)

映画『ポーラー・エクスプレス』の上映時間を観たら、TOHOシネマズ木曽川も、TOHOシネマズ岐阜も、レイトショーでは字幕版をやっていない。私は基本的に吹き替え版の映画は観ないことにしているので、これでは仕方ない。前にTOHOシネマズ岐阜(旧・シネタウン岐阜)の責任者に、「大人しか観に来ないレイトショーで、なぜ吹き替え版を上映するのか」という意見を出したことがあった。「東宝の担当者に相談してみます」という返事が返ってきたが、結局は改善されていない。字幕版をレイトショーで観るには、TOHOシネマズ名古屋ベイシティまで行かなければならない。じゃあ、実家にでも行こうかな…と、また四日市の彼のお墓経由で実家に行くことにした。

7月末に納骨されてからずっと、月2回のペースで四日市のお墓に行っている。私の実家にはお墓がないので、最初はお墓参りのノウハウも全く知らなかったのだが、最近では手馴れたものになってきた。彼の実家のご両親が海外生活なので、お参りしてあげる人が居ないと可哀想だと思って続けて来た。でも、これにも色々複雑な思いがあって、来月からは月1回に減らし、ご両親が帰国されたら、命日と彼の誕生日だけにしようと思っている。彼のことは一生忘れない。でも少しずつ離れていかなければいけないのも事実だ。

彼が亡くなってから、私は誕生日に彼がくれたブレスレットをずっと付けていた。でも9月の終わり、それをどこかで落としてしまった。仕事をしている時には確かにあったのに、定時後に映画を観て、帰りの地下鉄のホームで無いことに気が付いたのだった。大切なもののはずなのに、私は探すことをしなかった。彼が「いつまでも、こんなモンをつけているんじゃない」と言っているような気がしたのだ。

9月18日のイベントに私が自力で参加出来た事で、彼が安心してくれたに違いないと思った。私は少しだけ自分を解放してみることにした。クルマを運転する時に必ずお守りとして付けていた、彼からもらったビーズの指輪(彼のお母さんが作ってくれたもの)も、この日をきっかけに付けるのをやめた。少しずつ、少しずつ、彼から離れて行くことにしようと決意した。そうしなければ、ずっと幸せになれないような気がしたのだ。彼はそれを望んではいないのだと思った。

1ヶ月後、私の通勤カバンの底から、切れたブレスレットが見つかった。これはどういう意味なんだろう。妹にどう思うか聞いてみたら、「『解放したけど、ちゃんと見守ってるよ』って意味なんじゃない?」と返ってきた。そうかもしれない。きっとそうだと思う。

24日に「彼のことはもう書かない」と書いたばかりなのに、また書いてしまった。ま、いいか。

実家で夕食を取ってから、『ポーラー・エクスプレス』を観るためにTOHOシネマズ名古屋ベイシティへ。かなり余裕を持って出掛けたはずなのだが、駐車場が空いていない。ここでレイトショーを観るのは初めてだったので、甘く考え過ぎていたようだ。出庫する車を見付ける、わずかなタイミングが重要になってくるが、私は要領が悪かった。しかも、ここの駐車場は作りが悪すぎる。どん詰まりになっていて、空いていなければバックで出なければいけない場所が多いのだ。それなのに、後からどんどん車が詰まってくる。どうしようもないじゃない。もうバックで進むのにも慣れたから大丈夫だったけれど、運転し始めの頃なら、出られずに泣いていたかもしれない。駐車場内をクルクルと回り続け、結局入庫出来たのは30分後だった。チケットを買った時点で、映画開始の10分前だった。



少年はサンタクロースの存在を信じていなかった。でもクリスマスイヴの夜は、何となく気になって寝つけない。そんな時、窓の外で轟音がした。慌てて外へ飛び出してみると、そこには北極点行きの機関車『ポーラー・エクスプレス』が停まっていた。車掌に促され、少年はその機関車に乗り込む。

フルCGで製作されたアニメーションだと思っていたら、そうではなかった。役者たちが実際に演技し、それをデータ化してCGに合成させるという"パフォーマンス・キャプチャー"という手法を取っているらしい。それは実写ともアニメーションとも違う、不思議な映像の体験だった。

サンタクロースを信じない少年は、ちょっとひねくれているだけだ。本当は信じたい気持ちがあるのに、疑いを持ち始めている。そんな少年の所に『ポーラー・エクスプレス』がやってきて、彼をサンタの元へと連れて行こうとする。信じないなら、見せてやろうというのだ。信じたい気持ちがあるから、少年は『ポーラー・エクスプレス』へ乗り込む。その道のりで少年は様々なトラブルに巻き込まれるが、ひとつずつ解決して行く。完全に子供向けの、お決まりのストーリーだけれど、まるでディズニーランドのアトラクションのような楽しい映画だった。ディズニーランドが好きな大人なら、十分に楽しめる映画だ。

トム・ハンクスは、主役の少年や車掌など、重要な役を5役もやっているらしい。しかし、車掌以外の役をトム・ハンクスが演じる必要性を全く感じなかった。トム・ハンクスが出る度に「また出た」と思ってしまい、現実に引き戻される。そこまでトム・ハンクスにこだわる必要があったのだろうか。ちょっとしつこ過ぎる気がして、それだけが残念だった。

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